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日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2022年12月分)(経産省)

投稿日時: 2022/12/20 統括管理者1

以下のご案内がありましたので、お知らせします。詳細は下部をご確認ください。

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日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2022年12月分)
~微量ガスや微細な液体に関わる測定方法、持続可能な製品・サービスのための環境配慮設計などのJISを制定・改正しました~

JISは、鉱工業品、データ、サービスの品質、性能や試験方法などを定めた国家規格であり、社会的環境の変化に対応して、制定・改正しています。また、社会的に関心の高い重要な制定や改正を月に1回紹介しています。

1.今回のJISの制定・改正内容
今回は、7件の制定及び29件の改正を行いました。
特に重要なものを紹介します。
なお、制定及び改正したJISのうち、認定産業標準作成機関である一般財団法人日本規格協会から申し出されたものは制定2件、改正1件、一般社団法人日本鉄鋼連盟から申し出されたものは、改正12件となります。
①~③は日本産業標準調査会審議による制定です(資料1)。

①微量ガスの測定方法に関するJISを制定
これまで微量ガスの測定装置は大型で、操作に専門知識も必要であったため、測定器の設置場所や測定時間の面で制約がありました。
それに対し、半導体式微量ガス測定装置は、検知器に半導体式ガスセンサを用いることにより、短時間で簡単に測定することができ、小型で軽量なため持ち運びができる、といった特長もあります。
そのため、専用の実験室などに限らず、工場の製造ラインなどへの用途拡大が期待されます。
他方、この測定装置を用いる統一的な測定方法の規格がなかったことから、新たに測定方法のJISを制定しました。(資料2)

②持続可能な製品・サービスのための「エコデザイン(環境配慮設計)に関するJIS制定
製品・サービスを市場に出す際には、様々な環境影響について考える時代になっています。
例えば、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の観点、廃棄物処理、省エネルギー、特定化学物質の使用制限などを考慮して、ライフサイクル全体を通じて、適切にデザインしなければなりません。こうした取組は、「環境配慮設計」や「エコデザイン」と呼ばれています。
本JISは、あらゆる組織における製品・サービスの設計・開発やマネジメントシステムに、どのように環境配慮設計を組み込むか、要求される取組などを示しています。
本JISが適用されることによって、例えば、異業種との連携・協力により開発される製品・サービスへの環境配慮設計の共通理解と関連環境情報がバリューチェーン全体で共有されることを促し、バリューチェーン全体での環境影響の低減にも貢献することが期待されます(資料3)。

③微細な液体の体積測定方法に関するJIS制定
ものづくりの現場では、微細な液体の体積を、正確に計らなければならないことがあります。
従来は、そうした測定方法として、電子天びんでの質量測定を行い、その結果を密度によって液滴の体積へ変換する方法が一般的でしたが、測定時間や精密性で課題がありました。
それに対し、電動ピペットから滴下する液滴をカメラで撮影し、その画像から画像処理を用いて体積を推計する新しい測定方法が生まれています。
これは、液滴の体積測定の迅速化、高精度化が可能となるものであり、その仕様を定めるために、今般JISを制定しました。
これにより、工業用途(製造ライン、装置組込み)、化学分析、試薬検査分野など幅広い分野において活用の拡大が期待されます(資料4)。

2.JIS(日本産業規格)とは
JIS(Japanese Industrial Standards)は、製品、データ、サービスなどの種類や品質、それらを確認する試験方法又は評価方法や、要求される規格値などを定めており、例えば、生産者、サービスの提供者、使用者・消費者などが安心して品質が良い製品を入手したり、サービスの提供を受けたりすることができるために用いられています。
経済産業省では、技術の進歩や、社会的環境の変化等、必要に応じて、JISを制定・改正しています。
JISについて、詳しくは、下記のサイトを御覧ください。

日本産業標準調査会ホームページ
経産省ホームページ標準化・認証

JISの閲覧は、下記のサイトより検索ください。
JIS検索

 (資料1)2022年12月20日公示JISリスト.pdf

(資料2)微量ガスの測定方法に関するJISを制定.pdf

(資料3)持続可能な製品・サービスのための「エコデザイン(環境配慮設計)」に関するJIS制定.pdf

(資料4)微細な液体の体積測定方法に関するJIS制定.pdf