新制度・技術動向情報

日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2023年3月分)(経済産業省)

投稿日時: 2023/03/22 統括管理者1

 

以下のご案内がありましたので、お知らせします。詳細は下部をご確認ください。

ーーー

日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2023年3月分)
~サービスロボットの接触検知カバーの性能試験方法や球状太陽電池の発電性能測定方法、衣料品のサイズなどに関するJISを制定・改正しました~

JISは、鉱工業品、データ、サービスの品質、性能や試験方法などを定めた国家規格であり、社会的環境の変化に対応して、制定・改正しています。
また、社会的に関心の高い重要な制定や改正を月に1回紹介しています。

1.今回のJISの制定・改正内容
今回は、10件の制定及び97件の改正を行いました。
なお、制定及び改正したJISのうち、認定産業標準作成機関である一般財団法人日本規格協会から申し出されたものは改正2件となります。
以下に、特に重要なものを紹介します。①②は日本産業標準調査会審議による制定、③は改正です。(資料1)

※①②は新市場創造型標準化制度の活用による制定です。制度の概要はこちらを参照


① サービスロボットの周囲への接触を検知するカバーについて、その性能試験方法に関するJISを制定しました
高齢化や人手不足が進み、サービスロボットは家庭や店舗、工場など人と共存する場所での需要が高まることが予想されます。その際には、人間とロボット、設備とロボットなどの間において、衝突や接触時の安全性を確保することが必要になります。他方で、より感度を高めようとすると、センサーの数が増えざるを得ないなど、コストとの兼ね合いが課題でもありました。
そうした中で、少ないセンサーで接触の検知を可能としつつ、衝突時にはその衝撃を吸収するという二つの機能を兼ね備えた「衝撃吸収型接触検知外装カバー (以下、接触検知カバーという。)」と呼ばれる保護装置が開発されています。しかし、接触検知と衝撃吸収の、それぞれの性能を客観的に評価する統一的な方法がありませんでした。そこで、接触検知カバーの接触検知性能及び衝撃吸収性能の試験方法をJISとして制定しました。
これにより、接触検知カバーの性能を定量的に評価することが可能となり、サービスロボットへのこのカバーの装着が進むことで、更なる安全性の確保や信頼性の向上などが期待されます。(資料2)

② 球状太陽電池の発電性能測定方法に関するJIS制定
球状太陽電池は、全方位からの光を受光でき、全ての日照時間にわたって、光を効率的に採りこむことができる特長があります。その球状太陽電池の特長を踏まえた発電性能測定方法の日本産業規格(JIS)を、新市場創造型標準化制度※を活用し制定しました。
このJIS制定により、球状太陽電池の普及が促進され、再生可能エネルギーの導入拡大と温室効果ガス削減効果につながることが期待されます。(資料3)

③ 衣料品のサイズに関するJIS改正
一般に販売されている衣料品は、その多くがJISを基にしてS/M/L等のサイズ表示を行っています。これにより、消費者は、求めるサイズの衣料品を購入することが容易になる効果があります。
現在、インターネット販売などの購入形態の多様化や、消費者選好の多様化、あるいは日本人の長期的な体型変化やインバウンド消費の増加といった環境変化があります。したがって、適切にJISを見直すことが求められています。
今回の改正では、主にSS/3L/4L/5Lサイズ及び男女兼用サイズの追加などを行いました。
これにより、消費者が衣料品を購入する際の選択肢が広がることが期待されます。(資料4)


関連資料
(資料1)2023年3月20日公示JISリスト
(資料2)サービスロボットの周囲への接触を検知するカバーについて、その性能試験方法に関するJISを制定しました
(資料3)球状太陽電池の発電性能測定方法に関するJIS制定
(資料4)衣料品のサイズに関するJIS改正