以下のご案内がありましたのでお知らせします。詳細は下部をご確認ください。
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日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2023年10月分)
木質構造用ねじに関するJISや発電機・工作機などの劣化度を把握する計測器の性能試験評価方法に関する JISなどを制定・改正しました
JISは、製品やサービスの品質などを定めた国家規格であり、社会的環境の変化に対応して、制定・改正を行っています。
今月制定・改正したJISについてお知らせします。
1.日本産業規格(JIS)とは
日本産業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)は、産業標準化法(JIS法)に基づく国家規格であり、製品、データ、サービスなどの種類や品質・性能、それらを確認する試験方法や評価方法などを定めています。
JISは、製造事業者やサービス事業者が、品質の良い製品やサービスを生産・提供することや、消費者等が、品質の良い製品やサービスを入手・利用すること等のために用いられています。
関係府省では、技術の進歩や社会的環境の変化等を踏まえ、必要に応じて、JISを制定・改正しています。
JISの制定・改正は、経済産業大臣等の主務大臣により、日本産業標準調査会(JISC)※1での審議・議決を経て行われます。
(認定産業標準作成機関※2が作成したJIS案については、同調査会の審議を経ずに主務大臣が迅速に制定・改正を行います。)
※1 JIS法に基づき経済産業省に設置されている審議会
※2 JIS法に基づき主務大臣の認定を受けた、迅速かつ安定的な標準化活動に関する専門知識及び能力を有する民間機関
2.今回のJISの制定・改正内容
今回は、3件の制定及び7件の改正を行いました。
なお、今月は、すべて日本産業標準調査会審議(JISC)による制定・改正です(資料1)。
以下、今月、制定・改正したJISのうち、新たに制定した2件を紹介します。
なお、以下の(2)は、新市場創造型標準化制度の活用による制定です。
この制度の概要は、こちらを参照ください。
(1)木質構造用ねじに関するJISを制定(JIS A 5559)
脱炭素社会の実現に向け、これまで木造化が進んでいなかった木造建築物の普及が期待されています。
一方、その実現には、木材の接合部の強度や耐久性が課題となっています。
木質構造用ねじは、木材同士の接合部を直接接合する金属製ねじです。
くぎ、ボルト、金物と比較して、高接合力、低コスト、施工の自由度等があります。しかしながら、接合部の安全性の証明に多くの試験や手続を要するという課題がありました。
今般、木質構造用ねじの耐震性等の品質や検査方法等を規定したJISを制定しました。
これにより粗悪品の排除や工期の短縮等、建築物の設計者や施工業者等からの信頼性の向上が期待でき、ひいては、より低コストで信頼性の高い木造建築物の普及が期待されます(資料2)。
(2)発電機、工作機などの劣化度を把握する、計測器の性能評価試験方法に関するJIS制定(JIS B 9947)
発電機、工作機などは、定期的な保守・点検において、使用する潤滑油の汚染度(機械の摩耗によって生じる金属等の粒子によるもの)を計測することによって、機械の劣化度を把握することが必要です。
近年、潤滑油の使用に伴い発生する気泡を除去することなく、汚染度の計測が可能な計測器(気泡識別粒子計数器)が開発され、タイムリーな保守・点検が可能となりました。
今般、計測器の信頼性、有効性を客観的に示すため、その性能評価試験方法を確立し、JIS B9947として制定しました。
本JISによって裏打ちされた性能を持つ当該計測器の普及により、発電所などの重要なインフラ設備や機械製造工場の生産設備を停止させることなく、故障前に機械の状況を把握することが可能となり、これら設備の稼働率向上や長寿命化に貢献することが期待されます(資料3)。